ELENA TUTATCHIKOVA

Artist Statement


In my work, I am interested in the connection between imagination, walking and storytelling, and in the relationship between nature and man across different regions. Fieldwork is an important part of my practice. With the help of the local people, I try to approach the land in its complicity, as a source of history, language, imagination and thought. The resulting work comes in form of installations, which incorporate photography, video, sound, text and drawings.
I think of fieldwork not as a one-sided process, but as collaboration with people creating a dialogue about our shared experiences.
As a way of collaboration with local people, and as a way of artistic expression, I explore walking. I conduct walking and mapping workshops, with the aim to help us be more conscious about the environment, to learn about our perception and imagination of the landscape, and help us to express our knowledge.
Through various artistic practices and physical interactions with the landscape we do not only become more knowledgeable, but can also find our way to live in the ever-changing world. Maybe this connection with the land is what makes us human.

Elena Tutatchikova



私の作品制作は、歩くことから始まる。日々の作業としての歩行から発想し、地面を踏 むことでその土地を知り、人と関わりながら生活をし、作品を作っていくこと。

こうして歩き、思考し、制作を重ねる中で、私は、アーティストにとって制作とは、自 然や、人間の文化の蓄積によって形成されていく風景と、人間の営みから形成される「土地」 への理解を深めようとし、能動的に土地と人間と関わることであると考えるようになった。 様々な形を取るこの「関わる」という行為を、フィールドワークという言葉として表現する。

アーティストが行うフィールドワークとは、人間の活動の一つとして、歩行といった能動 的な作業によって土地を知り、人間との関わりを通し土地を巡る想像力や物語創造を探る作 業だ。土地に秘める無数の物語を発見し、視覚・言語表現を含め、その時適切と考えた表現 方法を用いて物語を体験可能にし、形として残していく活動である。

私は作品制作の中で、写真、映像、文章、ドローイング、音など、様々なメディアを表現 方法として使用する。私は、それらの表現方法・媒体が、歩行とともに、世界を思考する中 で使用される道具や素材であり、人間と関係性を作り、関わるための方法だと考える。

自身にとって、アーティストとして制作する意味は、ものとしての作品を作るだけのこと ではない。土地を知り 、想像し、人とともにその土地のことや人間として生きることを思考 する環境/状況/経験を作り続けることにある。

また、歩行は土地の人と関わる作業の中で必要不可欠な要素だ。特にまだ関係が浅い土地 では、一人で歩く旅をするが、土地との関係が深まっていく中で、人と共に歩くことが重要 な活動になってくる。

アーティストがフィールドワークで関わる人に対する考え方については、科学者によるア プローチとは異なる点がある。研究者は基本的に、土地の人のことを調査の対象とし、自身 とは客観的な距離を置く関係性を保つようにしている。しかし、アーティストにとって、そ の土地で関わる人々は共に考え、歩き、会話し続ける共同制作者である。「共に」そして 「互いに」という関わり方こそ、作品制作の基本的な条件の一つだ。つまり、関心があり、 関わりたいと思う場所や人を自ら見つけ、時間をかけて土地に通い、関係をつくっていきな がら制作し、アーティスト個人として活動を行う、そして「なぜそれを行うか」を常に問い 続ける。

「共に関わる」プロセスにおいては、アーティストだけが成果を得るわけではない。外部 の視線を持つアーティストと共に行う作業を通して、土地の人々は、自身が暮らす場所につ いて新しい視点や言葉を発見できる。そしてそれは期間限定のことに止まらず、日々の営み へと徐々に結ばれていくことをアーティストが志すべきではないか。

エレナ・トゥタッチコワ

Elena Tutatchikova ©